奥四万十市町情報ブログ

事務局2023/03/04

【奥四万十インタビュー 観光×仕事 No.4】観光1年目。梼原町を産業からも知ることで、観光へ活かせ。知ることの積み上げで町の可能性を膨らませろ。

奥四万十エリアの観光に関わる人々をインタビューするブログです。

今回は、梼原町役場 産業振興課 の 掛橋さんです。

 

梼原町 産業振興課 商工観光係が1年目の掛橋 勝司(カツシ)さん。観光について右も左も分からなかった春から、もう次の春が近づいています。知識や経験を少しずつ積み上げ、千思万考。梼原町の場所、物、人の可能性についてどんどん膨らんでいるようです。

 

【 No.4 梼原町役場 産業振興課 掛橋さん 】

—-掛橋さんは観光担当になって何年目ですか。

 1年目です。4月からなので、10か月くらいでしょうか。役場に入ってからは3~4年ほどになります。10月採用で入職して、半年間は環境整備課 建設係の土木担当をしていて、同じ課内異動で、上下水道や廃棄物、景観保護、狂犬病予防などが担当の部署に2年いて、そこから今の産業振興課 商工観光係です。

 

—-おいくつですか?

 今、29歳です。26歳くらいまで学生で、海外とかふらふらしていました(笑)。「そろそろ仕事就きや」と梼原町にいる僕の祖母からSNSで、役場の10月採用試験の内容が送られてきて。

 

—-大阪でなく、この梼原町に就職したんですね。決め手などあったんですか。

 僕は大阪生まれの大阪育ちなんですが、祖父母が梼原町在住で、冬休みや夏休みは親戚が皆ここに集まっていました。小さい頃から梼原に来ていて、街並みもまだ今のように整っていない時から来ていた中で、来る度に街並みに変化があるところだなと。梼原って本当にガラッと変わっていく。これって町としてエネルギーがあるんじゃないのかなと、ちょっと面白そうだなと

 それと、梼原に行く度、地元の子が「山行くぞー!」って遊んでくれてた事がすごく新鮮で面白かったというのが記憶にあって。ずっと都会にいて、人混みにまみれて過ごすのもどうかなーって思って、丁度いい機会かもって。

 

—-主な仕事は具体的にどんな事をされていますか。

 僕の係が商工観光係ということで、商工業や水産業と、観光と合わせた兼務という形でしています。観光で言うと、今、NHK連続テレビ小説「らんまん」が4月から始まる関係で、遊歩道の整備など3ヵ所受け持ってるというのがメインですね。

 それと、今年度の9月末ごろに「ゆすはらグルメウィーク」というイベントに携わらせてもらいました。普段の1ヵ所に集める形ではなくて、分散型のイベントでした。などが観光の主なところですね。

 水産業では、梼原の鮎などの生態圏の保全など。商工業は事業者さんの支援をメインにしてます。

 

—-観光担当の方は課内に何人いますか。

 産業推進課は、課長が1名います。課の中に2つの係と道の駅準備室があり、商工観光係は、係長1名、会計年度任用職員1名、私の3名です。もう一つの係は農政係の3名、道の駅準備室が2名という配置です。


▲梼原町役場 産業振興課 商工観光係は、
梼原町役場前の地域活力センター「ゆすはら・夢・未来館」1階にあります。

 

—-観光の仕事をして、嬉しかった事と失敗した事を教えてください。

 失敗というか上手く出来なかった思いがあるのは、今年度の秋に行った「ゆすはらグルメウィーク」です。東京・六本木の2つ星フレンチレストランのシェフをお呼びしてコラボメニューを事業者さんと一緒に開発したのですが、【産業振興】なのか、【観光振興】なのか、明確に理解できずにやってしまったなと。自分の中でちゃんと持っておけば、もっと対応もできたのにと思います。だいぶ勉強になりました。

 嬉しかった事は、また「グルメウィーク」の話なんですが、イベント後、関係者の方達との打ち上げの場所がイベントに協力してくれた店舗だったんです。そこのお店の方が「掛橋くん、がんばったねー!」って刺身の盛り合わせを出してくれたんです。皆さんに無理を言ってやって頂いたけれど、距離感が近くなったなあって思えたのは嬉しかったです。「よかったよ。よくがんばったね。」って言ってくれたのは、すごく嬉しかったですね。有難いです

 他には、NHK連続テレビ小説「らんまん」の整備工事などの計画では、僕に任せてもらっています。責任もある一方で面白味もある仕事です

 あとは、観光に関わる人がなんだかんだ言って、ポジティブで、前を向いて、楽しそうと感じます。エネルギッシュなので、そこにすごく良い意味で影響を受けるというのがありますね。奥四万十エリアの会議でも、みんな楽しい事考えてそうだなって、前向きなオーラが見えるのが個人的に嬉しいです。僕もようやく、9ヵ月、10ヵ月経ってからようやくこんな事を喋れるのかなと。最初の頃、ほんと何喋っていいのかわからなかったので。


▲令和4年9月に行われた「ゆすはらグルメウィーク」の様子。

 

—-梼原の町を観光をテーマにキャッチコピーを作るとしたら、どんな言葉があると思いますか。

 「田舎と観光地としての調和」、「田舎とおしゃれさの融合」とかかな。都会の人にとって田舎の虫や粗野さに抵抗感がある。そんな方でも梼原は過ごしやすいという声を聞く時があって。これなかなか無い強みじゃないかなって思うんですよね。魅力だと思いますね。。

 梼原町は町の中心部だけですが、上下水道も整備されていて、ごみ回収もしっかりされたりなど、暮らすには何も不自由しません。隈研吾さんの建築物があり、目の前の国道は無電柱化、そして夜は小水力発電の電気を使ってイルミネーション。町から一歩離れた先には田舎の体験もできて、こっちに戻って来たら観光地としての機能もあってと、うまいこと使い分けができたら面白いんじゃないかなと思っています。


▲梼原町内のイルミネーションの様子。

 

—-梼原町の意外と知らない部分ですね。上下水道がしっかり整備されているとか、小水力発電施設などがあってエコな部分も気遣っているとか。

 梼原は新エネルギーにもだいぶ力を入れてきた町で、それをもう少し観光に取り入れられたら強みになりそうですね。

 最近は時間ができた時に「町史」をパラパラめくりながら、昔の梼原を斜め読みしています。自分にとって今は本当に勉強期間やなと。自分が知らないのに、いきなりぶち上げてというのがすごく嫌で。まずはじっくり知ってから落ち着いてゆっくりやろうというのが、自分のコンセプトとしてあるので。


▲インタビュー中、近くの保育園児がほのぼのとお散歩する様子が見られました。
訪れた場所に町民の日常が見られるのも梼原町の魅力のひとつ。

 

—-まずは、梼原町とは何ぞやをしっかり落とし込んでいる、という事ですね。町を知らないと発信もできませんものね。

 そうですね。発信力も大事ですよね。SNSや、既存のマスメディア、新聞なども活用していかないといけないし。隣の津野町さんはチラシを結構配ってるんですよね。「津野ぶらスタンプラリー」は、うちの町にもめちゃくちゃ配られてて。地道に各施設にポスターを貼ったり、目に付く場所に置くという作業も大事だなと感じます。色々刺激になりますね

 

—-休みの日やプライベートは何をされてますか。

 最近は足摺へ行ったりしました。ようやく色んな所へ行ってみようって、外に出始めました。休みはだいたいどこかへ行くようになりました

 中でも、愛媛県内子町の道の駅には衝撃を受けました。置いている物のそれぞれが全部魅力的やし、働いている人も雰囲気もすごく良かった。結構色んな道の駅巡りをしてたんですが、すごく印象に残る所だったなあと思いますね。自分の町にも取り入れられないかと、わくわくしながら考えるようになりました。

 

—-梼原の観光は高知県内でも最先端だと思ってたんですが、お話を聞くとこれからも進化するというか、変化するというか、可能性が膨らみますね。

 そもそも梼原町を知っている人が全国的に圧倒的に少ない。なんなら高知県も知られてない。よそから梼原に来た学生に聞くと「(高知を)知らんかった。坂本龍馬知らん。」みたいな感じで。でも、知られてないという事は、知られる伸びしろはあるっていう事なんですよね

 まずは知ってもらって、来てくれる。そこから見えてくる課題が出てくる。そして、磨き上げて改良していってやっていくしかない。

 

—-最後に、掛橋さんおススメの梼原町の観光スポットを教えてください

 はい。梼原町立図書館、「雲の上の図書館」です。東京2020オリンピック・パラリンピックが行われた国立競技場を設計された建築家・隈研吾さんが手がけています。隈研吾さんは梼原町と縁があって、町内には隈研吾さんが手がけた建築物がここも合わせて5施設もあります。特にこの図書館は町民の方はもちろん、町外からもたくさんの方が訪れています。

 僕のお気に入りは、この本棚にもなっている階段エントランスです。子供もお年寄りも、皆がそれぞれゆったりと好きな時間を過ごしている施設です。

 


▲インタビュー後、マスクを外して、カメラに向かうと、少しはにかんだ笑顔を見せてくれました。

 

▲掛橋さんが迷いなく「ここで撮りましょうか。」と、サッと着席してくれました。

 

○梼原町立図書館「雲の上の図書館」
〒785-0610 高知県高岡郡梼原町梼原1212-2
TEL:0889-65-1900
http://kumonoue-lib.jp/

 

梼原町役場 産業振興課 商工観光係
〒785-0610 高岡郡梼原町梼原1426番地2 地域活力センター「ゆすはら・夢・未来館」1階
電話:0889-65-1250
http://www.town.yusuhara.kochi.jp/town/

 

制作:(一社)奥四万十高知 ( インタビュー・撮影 / 笹岡 )

 

 

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