奥四万十市町情報ブログ

四万十町2016/06/09

十和の伝統技術「勝秀鍛冶屋」と師匠と弟子

こんにちは。四万十町十和のはらちゃんです。
本日は十和に唯一残る鍛冶屋となった「勝秀鍛冶屋(カツヒデカジヤ)」さん、そしてその二代目・三代目を担う師匠と弟子をご紹介させていただきます。
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勝秀鍛冶屋の刃物づくりは丸太を割るところから始まります。
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ここでは刃物の鉄部分のみならず、柄や鞘の木工部分、柄と刃を繋ぐ目釘まですべてを製作しています。
全国的に見ても、そこまでを自ら作る鍛冶屋は珍しいとのこと。
そうやって作り出される柄の曲線はとても美しく、持った時のバランスが絶妙で力が入れやすいと地元の山師さんなどから高い評価を受けています。
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使用している木材はすべて四万十町産で種類も様々。木によって見た目も大きく変わります。
また、鉄を打つ際に使用する松の炭も自分たちで焼いているそう。
このようにすべて手作業で進めているため、大量生産はできませんが、1本1本に鍛冶屋の精神が込められた刃物ができあがります。
 
勝秀鍛冶屋では主に猟師が使用する剣鉈(写真左)、山師が使用する腰鉈(写真右)を製作しています。
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その鉈(なた)には銘(めい)と呼ばれる勝秀鍛冶屋で作られたことを示す「土州勝秀」の文字が切られています。
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土佐では銘を切る鍛冶屋が多くありましたが、現在では刻印に変えたり、専門の銘切士に依頼しているところが多くなりました。
それでも「鉈は銘を切らな格好がつかん」と二代目の松村幸作さんは強いこだわりを持っています。
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そんな松村さんが引き継ぐ勝秀鍛冶屋は現在では十和に残るただ一つの鍛冶屋となりました。
実は松村さんも父から引き継いだ鍛冶の職を離れたことがあるそうです。
それでも四万十町で脈々と続いてきた鍛冶文化を後世に残していきたいという決意から、鍛冶の世界に戻り、現在は弟子である菊池祐さんに技術を継承しています。
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菊池さんは、神奈川県横須賀市出身で、2015年春、地域おこし協力隊として四万十町十和へ移住してきました。
幼少期から「モノづくり」に対する関心の強かった菊池さんは、工業高校を卒業後も専門的な技術を要する職に就いていました。
その職でも県より青年優秀技能者の賞を受けるなどモノづくりにかける熱心さは外部からも評価が高かったようです。
一人前の鍛冶屋となるため、まだまだ修行はこれからだという菊池さんですが、その眼からは師匠の魂を引き継ぐ、ひしひしとした強い闘志が感じられます。
 
「職人は少し不器用なくらいがいい。」松村さんは言います。
器用であればどこかで力を抜くことを覚える。不器用だからこそ力を抜かない。それが職人にとって大切なことだそうです。
松村さんは菊池さんを少し不器用だからこそ1つ1つの作業を丁寧にこなすと評価しています。
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作業場の2人の背中からは「鍛冶」にかける熱い思いと、師匠と弟子の域を超える信頼関係が伝わってきます。
 
そんな勝秀鍛冶屋の二代目と三代目がつくりだす、魂のこもった「刃物」。
こだわりのある方に是非手にとっていただきたい。
四万十町の鍛冶の文化として高く評価されるべきまちの宝です。
 
【勝秀鍛冶屋】
住所:〒786-0504
高知県高岡郡四万十町十川233-2
電話番号:0880-28-5429