【寄稿】「高知県須崎」歴史の深さと積み上げてきた暮らしの中で「継ぐこと」マルキョー醤油おかみは今日も元気
高知の海辺の町「須崎」は元気をくれる場所。
参考記事:疲れた時行くと元気になる場所「須崎」ローカルを熟知した須崎女子と周った「一日堪能コース」はこれ♪奥四万十博
それはなんで?海と風情のある街並みと、女性が元気なこと!須崎の元気な女性が集まっていろいろな活動をされている「須崎女子」が有名なんですが、とにかくパワフルな人が多い。会うだけで元気になってしまいます。
今回は、そんな須崎女子のひとりである「マルキョー醤油」のおかみにお話を。この蔵、大正創業で歴史が深く、ほんと美しい場所。須崎に行くたびに立ち寄ってしまいますおすすめスポットなんです。
どこかを訪ねるって、人に会いに行く要素はありませんあか?もし、須崎に遊びに行ったら、いつ見ても笑顔がピカピカの、マルキョーおかみに会ってみてください。しょぼん・・・となってても、なんだか復活。元気が湧いてきますよ^^わーい!ぴょーん!
ヒビノ:マルキョーさんは、大正時代に創業されて、いま4代目ですよね。その中で閉店の危機もあったそうですが、どう乗り越えられたんですか? おかみ:地元のお客さんから、有り余る「やめられたら困る!いかん!」「絶対にやめんとって」との多くの声をいただいたんです。網屋(漁具・漁網屋)してた父が、「そんなに言うてくれるやったらワシがやる!」と続けることにしたと聞いてます。私がUターンしてくる7~8年前ですね。
ヒビノ:すごいですね〜。ほんとに地元の方々に長い間愛されてるんだ。お父様、ワシが!って男気ある(笑)
おかみ:お客さんの熱い声と、我武者羅な父の行動力ですね!
ヒビノ:すてきです。
◾️Uターンしたきっかけ
ヒビノ:かなこさんご夫婦は、どちらも県外へ出てらっしゃったんですよね。いつも仲が良さそうに見えるんですが、ご夫婦でUターンされたときの、お互いの気持ちはどうだったんですか?
おかみ:私が先に、主人との恋愛に敗れて主人がフッて、私に高知へ帰るよう進めたのです(笑)それで、Uターンしてきました。
ヒビノ:えー!!それはそれは・・・衝撃です(笑)
おかみ:はい(笑)なんですが、奇跡的に遠距離恋愛が始まって。それから1年後の結婚だったので、私は「彼はすぐに、どこかへ行ってしまうんじゃないか…」と不安だらけでした。主人は多くは語らなかったです。でも、地元のお店や誘いに、本当に足しげく通って交流を深めてくれる姿には励まされました。ただ、どこかいつも寂しそうには見えてたなぁ。主人は30歳の誕生日前に帰ってきたわけで、相当な決心で臨んでくれてるのは解っていました。
ヒビノ:よっぽどの決心がないと、なかなか、高知に帰ってきたり、あとを継ぐということはできませんものね。うちの夫もそうですが、Uターンの人って、Iターンより、地元のことがわかるだけ覚悟がいりますよね。夫婦の関係性が良くないと、そのあとの生活や仕事もうまくいかないと思います。かなこさんのところも、色々と乗り越えてこられて今があるんですね。
◾️箱庭みたいな風景
ヒビノ:かなこさんは、須崎の中で、いちばん好きな場所ってどこですか? おかみ:「海」です、富士が浜。
わたし:他の須崎女子の方もおっしゃっていましたが、須崎は海と山と川があって、適度に便利で、なんでもそろう「箱庭」みたいだって。ほんとに、美しいです。
◾️住んでいてたいへんなところは?
ヒビノ:もし、差し支えなかったら教えていただきたいんですが。反対に、ここに住んでいて大変なところって、ありますか?
おかみ:須崎の大変なところは・・・歴史の深さと、積み上げてきた人々の生活や息吹を、感じ過ぎてしまうほどに「地元を知っている」ってことです。みんなの色んな想いの上に、わたしたちはこれからも築いていかなければならない、的な。
ヒビノ:ああ、それはあるかもしれませんね。歴史が深いゆえに。そして、想いの上にというところ。
おかみ:うちの醬油屋にしても、目に見えない歴史の重みに加えて、実在している古い建物や設備に大変さを感じます。よく、「いっそ、ゼロから始めたい!」と思ってしまいますよ〜(笑) でも、その歴史こそ有難く、かけがえなく伝え残すべき事柄でもある。だから、面白いんです。
ヒビノ:わたしの周りにも、何代目かの社長さん達がいます。今の時代は地元で商売をするからといって、なあなあでは絶対にやっていけませんよね。だからこそ、今は今の工夫もしながら、でも歴史の深さと伝えるべきところは伝えて。蔵にしろ、棚田にしろ、風景は続けていく人がいないと、なくなってしまうということに、高知に移住してから気がつきました。ほんとに尊敬です。
◾️仕事と育児、切り替えて笑顔でいるひみつは?
ヒビノ:かなこさんは、いつも笑顔いっぱいですよね。どうやって切り替えられているんですか?客観的にみて、仕事だってお忙しいし、子育てだって大変なのに、ほんとすごいなあと思っていて。いつも救われます。
おかみ:ありがとうございます!自分の顔は絶対に自分じゃ直接見えない、見られてるものだと思っているんですよ。笑顔は絶対大事にしたいです。あ、でも一人になると暗いんですよー。ポイントとしては、「お酒と睡眠」で復活!ですね(笑)
ヒビノ:わー。たくましい。さすが、ハチキンですね!
◾️気にかけてくれる、パワフルな女子たち
ヒビノ:「須崎女子」の活動は、かなこさんにとって、どんな影響を及ぼしていますか?
おかみ:彼女達は「やれることを一緒に「楽しく」やって行けれる仲間」ですね。本当に頼もしいし、楽しいし、一緒にいて気持ちが良いです。みんなのブログやSNSを読むと元気になるし、自分ももっとやれるな~って思う。刺激し合えますね。女子のユルサやテキトーさも加わって、本当に居心地の良い心のオアシスなんです。
わたし:居心地かあ・・・そういう仲間がいるって、ほんといいですよね。女子会からいろいろな活動が始まる、って結構あると思うんです。特に、田舎の地域では。大変なことも多いけど、それだけお互いに共感できる。
同じ須崎女子メンバーの佐々木ホゲットさんも「助けられるのは、声をかけるとすぐ集まってくれるところ。”たすけてー”って言ったら、どーしたどーした!ってね。行政の人も、相談したことを気にかけてくれる」とおっしゃっていました。
町に、自分のことを気にかけてくれる人がいるって、大きいですよね。ちょっとくらいおせっかいでも、嬉しい。どんどん前を向いていくパワフルさも、力強い。須崎はすてきな町ですね!
◾️醤油味噌マルキョー蔵・店舗にて、お醤油お味噌、買えます。
定休日:日曜。祝日。営業時間:8時~17時
高知県須崎市中町一丁目2−21 TEL0889ー42ー0129
・かなこさんのブログ 「醤油や若女将の、ただいま子育て奮闘中」
◾️近くのおすすめスポット
すさきSATまちかどギャラリー
まちかどギャラリーは、マルキョーさんから歩いてすぐ。大正5年の建築物をリノベーションしたギャラリーです。こちらも、レトロで重厚な建物が美しいんですよ。展覧会や講座・ワークショップなど。お立ち寄りください。
◾️奥四万十博
2016年は奥四万十博。実はこの須崎も入ってます。ぜひ、この機会に周ってみてくださいね〜^^